毎年冬になると悩まされるのが窓の結露。毎日毎日拭き取るのが大変な作業ですよね。日中乾くのを待ってそのままにしておく方もいると思いますが、これは非常に危険です。あなたとそしてあなたの家族の健康に害を与えたり、住んでいる建物にダメージを与えたりと大変なことになります。
ここでは、なんで結露するのか?結露の原因と、少しでも結露を減らす方法を伝授いたします。
結露の原因
空気中にはもともと水分が含まれています。一般的に言う「水蒸気」です。
「水蒸気」は、空気中に存在できる限界があります。この限界値・限界量のことを「飽和水蒸気量」と言います。限界量は気温が高くなれば増え、低くなれば減ります。
つまり冬は部屋の暖かい空気が窓際で急激に冷やされ、限界値を超えてしまうので水となって窓ガラスに現れるのです。これが「結露」です。
室内の空気中に水蒸気が多く含まれていなければ、「結露」は起こりません!ってことにもなりますね。
昔の家屋は、けっこう隙間だらけだったので自然に換気され、室内の水蒸気量が少なかったので結露はあまり起こらなかったのですが、最近の家屋はマンションをはじめ気密性重視のため、室内の空気を逃さないようになっています。そのためいっそう結露しやすくなってきています。
冬は当然寒いので各種暖房器具を使うと思います。
その中でも燃焼系の暖房機は 燃焼によって水(水蒸気)を発生します。
※代表的燃焼系暖房機;石油ファンヒーター・ガスファンヒーター(FFファンヒーターは燃焼ガスを屋外に排出する仕組みなので除く)
下記がLPガスファンヒーターを燃焼したときの化学式です。
LPガス 酸素 = 二酸化炭素 水蒸気
C3H8 + 5O2 = 3CO2 + 4H2O
暖房器具を使用すると空気が乾燥するようにお考えの方も多いと思いますが、燃焼系の暖房機については逆で、このように水蒸気を発生するのです。
ちなみに、石油1リットルを燃焼すると、1.13リットルの水(水蒸気)を発生すると言われています。
結露を放っておくと
結露を放っておくと「カビ」の絶好の生息場となってしまうのです。
室温が暖かく、湿度が高く、栄養分があれば「カビ」は、どんどん繁殖してしまうのです。栄養分とは、空気中を浮遊しているゴミ・チリ・ほこりのことです。これが結露にくっついて「カビ」が栄養を取りやすくなってしまうのです。浴室がカビやすいのも同じです。(浴室の場合は、これに人間から出るアカや皮脂なども栄養に加わりますが。)
ここで一番問題になるのは、カビは繁殖する際に目には見えない胞子を飛ばすことです。
胞子は、ぜんそくやアトピーなどの健康被害を引き起こします。高齢者や幼児は体が弱いので、カビの胞子を吸い込むことで引き起こされる肺炎「カビ肺炎」を発症することがあります。この恐ろしい「カビ肺炎」は最悪の場合死に至ることもあります。
また、結露は家屋を蝕んで(むしばんで)しまいます。結露による水分が窓枠に浸みたり壁に伝わったりして、窓枠が黒ずんだり、壁紙がはがれたりしてしまいます。この状態が進むと壁の内部の断熱材や木材、床下までもお腐らせてしまいます。石膏ボードを使用している壁の場合は、落ちてくることもあります。
地震にも弱くなり、シロアリの発生を助長してしまいます。家屋の寿命を長くするためにも結露の放置はやめましょう。
対策
- 簡単にできる対策
こまめに換気をして空気を入れ替える。(室内の水蒸気を外に逃がす)
押し入れや収納もこまめに換気する。
市販の結露ワイパーを使用してこまめに水滴を除去する。
- 少しお金がかかる対策
室内にサーキュレイターを置く。(室内の部分的な温度差をなくすと同時に窓際などの温度が下がる部分に空気がとどまらないようにする。)
- お金に余裕があれば
石油またはガスファンヒーターをFFファンヒーターに変える。
電気ヒーターに変える。
エアコンに変える。
窓際にヒーターを設置する。
私は結露対策と暖房費節約の面からみて3年前に一部に内窓を設置しました。(二重窓にしました。)導入したときにセールスマンから「結露もしなくなります。」と説明をうけた記憶がありますが、実際使ってみて結露は軽減されていますが、なくなりはしませんでした。(暖房費節約に関しては効果がありました。)
まとめ
◇こまめに換気をし、室内の水蒸気を逃して必要以上に湿度が上がりすぎないようにする。インフルエンザ対策も含めて湿度は50%~60%にしましょう。
◇押し入れや収納もこまめに開放して湿気がこもらないようにしましょう。
◇窓にできてしまった結露は、結露ワイパーなどで除去しましょう。
◇金銭面に余裕があれば、、FFファンヒーターに入れ替えたり、エアコンなどの非燃焼系の暖房機に変えましょう。
追加:建物的に可能なら、年に2回くらいは床下にもぐって躯体の確認をするのも重要です。