昔は単板ガラス(一枚物の板ガラス)があたりまえ、というよりは単板ガラスしかなかったのですが、近年は断熱・防音の効果を考えてガラスが二重になったものが主流になってきています。これを複層ガラス(ペアガラス)といいます。
我が家でもすべての窓・玄関ドア・テラスドアなどがペアガラスになっています。
断熱・防音に関してはとても効果があると実感しています。しかし問題がありまして、下に我が家の窓の画像を載せてありますが、二枚のガラスの内側が汚れてしまってきれいにすることができないということです。
どうしてそのようになってしまったかという点も含めまして、いろいろ調べてみましたので解説いたします。
まず初めに「ペアガラスとは」から始めます。
ペアガラス(複層ガラス)とは
2枚のガラスの中間に空気層を設けて張り合わせ、周囲をシール材(封着材)で完全に密封したガラス戸にことをいいます。ちなみに現在は、より断熱効果の高い、より防音効果の高い、ガラスが3層になったトリプルガラスもでてきています。
ガラスとガラスの間はただの空間ではなく、特別な気体が注入してあるのです。
空気に比べ熱の伝わりを約30%抑えるアルゴンガスを封入してあったり、
空気に比べ熱の伝わりを約60%抑えるクリプトンガスが封入してあったりするのです。
※余談ですが、鳥などがぶつかって外側のガラスに少しヒビが入ってしまったような場合、そのヒビが入ってしまった外側のガラスのみを交換することは不可能で、2枚セットのペアガラス毎交換ということになります。けっこう高額です。
内部が汚れてしまった画像
これは、複層ガラス内部が一度結露して乾燥してしまったガラスの画像です。(我が家の窓です)
このようになってしまうと内部のガスが抜けてしまっていますので、断熱性能が極端に下がってしまいます。というよりは汚れを拭き取りたくても拭くことができないので汚れたガラスに見えてしまうことの方が気になりますよね。透視性の面でも、せっかくの透明ガラスが曇ってしまいとても残念になってしまいますよね。
発生原因
発生原因を特定することはメーカーでも難しいようですが、発生のメカニズムは次のような感じです。
空気層の中身は、乾燥空気もしくは、アルゴンガスやクリプトンガスが注入されているのですが、通常の使用環境では空気層の中に水滴はつきません。しかし水滴がつくのは、空気層の密封に使用したシール材の劣化などで湿った空気の進入を許してしまい、空気層の中が湿度の高い状態(飽和状態)になって、水滴として現れてしまうのです。
雨やガラス表面に発生した結露、浴室での水滴などが、複層ガラスのグレージングチャンネル(以下グレチャン)内やサッシ框(かまち)内に侵入し、シール材を劣化させ、その劣化した部分から入り込んでしまうのです。※グレチャンとは、サッシの枠とガラス部を固定する四方にぐるぐるっと周っているやわらかいゴムみたいなものです。
通常はグレチャン部分から水が侵入してもシール材を劣化させることは少ないのですが、そこに長期間たまっていたり、たまった水が高温になったりすることで劣化を早めてしまうようです。
まとめ
内部結露は、ガラス交換でしか対応できません。
複層ガラス製品の内部結露の発生に対しては、製造日より〇〇年と保証されています。メーカーにより5年、6年、10年などと違いがありますので確認してみてください。
(※使用条件等で免責事項があります。)
我が家では設置してから4~5年くらいで、拭いてもきれいにならない汚れに気が付きました。しかし保証があることを知らずに時がたってしまったため、保証があることを知った時には、もう手遅れでした。
みなさん是非このようなことに気が付いた時には、
早めに施工者や工務店にご連絡されることをおすすめします。