むかしから「年末詣」(ねんまつもうで)という参拝のしかたはあったそうです。
近年メディアが取り上げたことや、あの“日清”が「どん兵衛」のCMで「年末詣って初詣よりご利益あるんですよ~。」みたいなセリフを使ったことで注目されるようになったのが理由でメジャーになったのでしょうね。
そもそも「年末詣」とは何ぞやということになりますが、時期的には冬至から大晦日までの期間(当時は毎年だいたい12月20日前後です)なら、いつでも良いとされています。これは、日本古来の暦では日中の時間が一番短い日から長くなるのに転じる日(冬至)が新しい一年のはじまりとしていた由来からだと思われます。
そして、
「一年間ありがとうございました」
「おかげさまで無事に一年を過ごすことが出来ました」などなど、神様にその年の「感謝」の気持ちを伝えるお参りのことです。
「初詣」の歴史は約100年、明治時代以降にひろまった比較的新しい習慣と言われていますが、「年末詣」はもっともっと昔からあったそうです。ちなみに期間は違いますが「師走詣」「晦日詣」「大晦日詣」などというのもあります。
※「師走詣」は12月中、「晦日詣」「大晦日詣」は12月31日限定です。
私も今回「大晦日詣」をしてそのあとすぐに「初詣」をと計画をして地元の神社へ参拝しに行ってきました。
大晦日の夜11:45に神社に着きましたがもうすでに30mくらいの行列ができていて年越しの前に参拝できるか不安でした。
「大晦日詣」をする人がこんなにいるんだぁ、と思いながら並んでいると5分経っても10分経っても全く前に進まず、先頭の方をよく見るとどうやら年明けを待ってお参りをしようとする「初詣」の方たちのみでした。
ちょうどすぐ前の方も「大晦日詣」をしようとしていたようで「これでは間に合わないよ」と言って列をはずれて先頭まで行って参拝を始めたのでわたしも同じように列をはずれて神殿に行ってお参りをしました。
ギリギリ年越し前に!ってな感じになってしまいましたが、しっかり一年の感謝を神様に伝えることができました。
列の先頭に並んでいる方たちも「せっかちだなぁ」という感じでキョトンとした感じで割込みに文句も言わず立っていました。
「大晦日詣」を無事に済ませもう一度列の最後尾に並びました。今度は150mくらいなっていました。
あまり「年末詣」は知られてないのかなぁ?というのが実感です。
ここで基本的なお参り方法を順を追って書いてみました。
1.鳥居は一礼してからくぐりましょう。
これは鳥居から中は神聖な場所であるからです。
2.参道はまん中は通らず端を歩きましょう。
これは参道のまん中は神様が通るところと言われているからです。
3.手や口を清める設備(手水舎)があるところは、利用してしっかり清めましょう。
4.神殿の前に来たら鈴があればまず鳴らしましょう。
5.賽銭をあげます。
このときの注意として賽銭を投げ入れる方がたくさんいますが、あくまで賽銭は「お供え物」です。手の平を下に向けてそっと賽銭箱に入れましょう。「ほらくれてやるぞ~」のような入れ方はやめましょう。
6.2礼2拍手1礼
2回頭を下げ2回手をたたき手を合わせて感謝を報告して最後に1礼をして終わりです。
7.帰りの際にも鳥居をでたところで振り返り、感謝の気持ちを込めて1礼をしましょう。
「年末詣」「師走参り」などの呼び方がありますが、行ったことがない方はぜひ一度行ってみて下さい。冬至後の12月23日からクリスマスくらいが最適だとおもいます。
まだまだメジャーではないのでゴタゴタしていなくて、ゆったりとお参りでき、落ち着いた気持ちで感謝をお伝えすることができて最高です。
わたしも次回はクリスマスイブあたりに参拝しようと思っています。