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台風と熱帯低気圧、そして温帯低気圧の違いはコレ

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毎年7月くらいになるとテレビなどで「台風〇号が発生いたしました。」などと耳にする機会が多くなりますよね。

そして最後には「台風〇号は勢力を弱め熱帯低気圧に変わりました。とか、温帯低気圧に変わりました。」などと聞きます。

 

いったい、台風と熱帯低気圧ってどこからが台風でどこからが熱低低気圧なの?基準は何なの?違いは何なの?と疑問に思ったことはありませんか?

ちょっと調べてみましたので、台風と熱帯低気圧の違いを中心にわかりやすく書いてみます。

 

熱帯低気圧とは

赤道付近に位置する熱帯や亜熱帯地域の温かい海上で、その暖気と高温の海水から蒸発する水蒸気が上昇することにより空気が渦を巻いて出来る低気圧のことです。

次から次へと海水が蒸発するため、発達しやすいのが特徴です。

台風とは

実は、台風も熱帯低気圧の一部です。この熱帯低気圧が発達して中心付近の最大風速が17.2m/秒(34ノット)以上となると「台風」と呼ばれるんだそうです。

もともと台風の定義は,12階級の「ビューフォート風力階級」をもとに決められ、風力8以上が台風と定義されました。

 

つまり風の強さの違いでしかないということになります。雨量は全く関係ありません。

「台風は熱帯低気圧になりました。」などという発表があると、安心してしまう方も多いと思いますが、決して油断しないでください。

風が少し弱くなっただけで、雨が少なくなったわけではありません。

北野(私)
油断するな!ということで、ここは絶対に気を付けるポイントですね。

 

ちなみに、台風の中でも

最大風速が32.7m/秒を超え、43.7m/秒未満のものは「強い台風」

最大風速が43.7m/秒以上54m/秒未満のものを「非常に強い台風」

最大風速が54m/秒を超えるものを「猛烈な台風」

と言うそうです。

また、世界的な熱帯低気圧としてみると、台風は「中心が北半球の東経100度から東経180度のあいだに位置する」という定義もあります。

それ以外の地域では、「サイクロン」「ハリケーン」「タイフーン」という名称になります。くわしくは下記に書いてありますのでご参照ください。

 

温帯低気圧とは

ここまで熱帯低気圧と台風にについて説明してきましたが、「台風が温帯低気圧になりました」などと耳にすることもありますので、温帯低気圧についても説明いたします。

この温帯低気圧と熱帯低気圧、漢字一文字しか違わず、存在する場所が温帯地方か熱帯地方かの違いで同じようなものとお考えの方も多いと思います。しかしこの両者、まったくの別物なのです。「低気圧の構造」が違うのです。

わかりやすく言うと、暖かい空気「暖気」のみで出来ているのが熱帯低気圧、北からの冷たい空気「寒気」が入り前線があるのが、温帯低気圧ということになります。

温帯低気圧は日本列島などの中緯度地帯で発生することが多く、暖気と寒気のぶつかり合いで発生して発達します。

暖かい空気と冷たい空気が接触すると、温度差を解消しようとして空気が混ざり合うので空気が渦を巻くようになり発達します。

この暖かい空気と冷たい空気がぶつかり合うところは前線といいますが、北半球では南東側に温暖前線・南西側に寒冷前線を伴っています。

温帯低気圧は発達しても台風とは呼ぶことはありませんが、場所によっては風速40m/秒を超えるような風が吹いて大荒れになることもありますので、油断はできません。

北野(私)
ここも油断するな!ですね。

 

なんで17.2m/秒って半端な数字なの

「なんで17.2m/秒って半端な数字なの?」と疑問に思われた方もいると思いますので、調べてみましたのでここで説明いたします。

もともと海上の速度を表す単位にはノット(knot, 記号 kn,kt)が使用されていたからです。

(船のスピードを表すときに「〇〇ノット」などといいますよね。)

1805年にイギリスのビューフォートによって海上の風速の観測のために考案された0~12までの階級がある風力階級表(上記の表1)、陸上用としても使用するために世界気象機関で改良を重ね、現在もこれを使用しています。その関係でノットという単位が基準になっているためです。

1ノットは時速約1852mです。(1時間に1.852Km進むスピード)

秒になおすと0.5144mです。

(ちなみに急に出てきた「1852m」は、1海里=1852mからきています。)

 

さらにここで疑問が出てきてしまいました。

台風の基準となる風速34ノットなら 34×0.5144=17.49m(約17.5m)となり先程より説明している17.2m/秒にならないではないかということです。

わたしも非常に疑問におもいいろいろ調べてみました。その結果、34ノットと言っても実際には四捨五入されているので、33.5から34.4ということになるとのことです。それで計算してみると

33.5×0.5144=17.23(約17.2)

これで納得しました。(^▽^)/

とも子(妻)
なるほど、そこから17.2m/秒なんて中途半端な数字なんだね。

 

その他の熱帯低気圧

世界的規模・地球的規模で熱帯低気圧を見てみましょう。

日本以外にも世界各地で発達した熱帯低気圧は発生します。その場合の名称・呼び名などは何というのか下に挙げました。

◆北大西洋、カリブ海、メキシコ湾および西経180度より東の北太平洋東部では中心付近の最大風速が32.7m/秒以上の熱帯低気圧をハリケーン(Hurricane)といいます。

◆インド洋や南太平洋西部では中心付近の最大風速が17.2m/秒以上の熱帯低気圧をサイクロン(Cyclone)といいます。

◆太平洋西部では中心付近の最大風速が32.7m/秒以上の熱帯低気圧をタイフーン(Typhoon)といいます。

このようなことから一定の地域を超えた場合は呼び方が変わってしまうのです。たとえば2018年8月14日の台風17号のように北東太平洋で発生したハリケーン・ヘクターが西進して東経180度(日付変更線)を中心が超えた時点で台風と呼ばれるようになりました。このように地域を超えて台風にかわったものを越境台風といいます。

 

どうやって風速をはかるの?

最後にどうやって海洋上のしかも荒れた天候のなかの風速を計測するのかを説明いたします。

現在、海洋上での風速は気象衛星「ひまわり」など衛星画像を用いて「ドボラック法」という間接的な方法を基本に解析した推定値なんだそうです。

もちろん中心の気圧も推定であります。

たしかに船にしても飛行機にしても非常に危険ですからね。(^▽^)/

でも実は1987年8月まではグアム島の米軍による飛行機観測で直接測定していたそうです。しかし、経費がかさむのと何より危険な任務のため飛行機観測が廃止されたそうです。

まとめ

台風は熱帯低気圧が発達して中心付近の最大風速が17.2m/秒以上になったもの。

区別の基準は風速のみで雨量などその他のものは関係ない。

最後までのお付き合いありがとうございました。

北野(私)
参考にしてみて下さい。

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