日頃見かける、表示・案内・通知文などに「づつ」が使われていることがたま~にあります。「1枚づつ入れてください」「少しづつ」などのように。
わたしは昔から「づつ」は間違いで「ずつ」が正しいと教わってきたのですごく気になってしまいます。皆様の中にも同じような感覚でおられる方も多いのではないかとおもいます。
実際わたしは勤め先の職場で社長の文章に「づつ」と書かれた部分をみつけ、「社長、ここの“づつ”は“ずつ”になおした方がいいですよ」なんてアドバイスしたこともありました。
そこでこの「ずつ」と「づつ」の違い?というより正しい使い方を調べてみましたので、わたしなりに解説いたします。
早く知りたい方のために結論を先に述べますと
現在は「づつ」を使用しても間違いではないとのこと!です。
社長にアドバイスしたのがチョットはずかしくなりました。もっと早く調べて知識を持っておけばよかったなぁ・・と反省です。
「づつ」と「ずつ」の変遷
1946年11月15日(昭和21年)以前(これを歴史的カナづかいと言います。)
「ずつ」➡まちがい 「づつ」➡正しい
1946年11月16日以降(ここから現代カナづかいになります。)
「ずつ」➡正しい 「づつ」➡まちがい
1986年7月1日(昭和61年)以降から現在に至る。
本則は「ずつ」であるが「づつ」と書くこともできる。
と、このような歴史をたどってきました。まちがいになったり正しくなったりしてきたのですね。
時の内閣が告示することによって決められるのですが、情報はしっかり集めておかないと恥をかくこともありますし、適切なアドバイスもできなくなってしまいますね。
※ちなみに「づつ」を使うことが許されるといっても、学校教育や官庁などは「ずつ」を使用しています。
おおやけの文章・通知などを作成するときは「ずつ」を使用するのが賢明かとおもいます。
結論!現在は「づつ」でもOKということでした。
ここで、上記を調べていく上でとても気になったことがありましたので、余談として書いておきます。
余談その1
「ぢ」と「づ」の扱いについて
現在では例外を除いて「ぢ」は「じ」、「づ」は「ず」と表記することとなっています。
例外とは
①同音を連呼する場合
②二語が連なっている場合(連なることによって濁点が発生する場合)
です。
①の具体例
ちぢむ(縮む)
つづく(続く)
つづる(綴る)
つづみ(鼓) など
※「いちじく」「いちじるしい」はこの例にあたりません。
②の具体例
はなぢ(鼻血) 鼻+血
そこぢから(底力) 底+力
たけづつ(竹筒) 竹+筒
にいづま(新妻) 新+妻
などなど。濁点を取っても意味が分かるものです。
余談その2
特定の語については、表記の慣習を尊重して「じ」「ず」と書くことを本則とするが、「ぢ」「づ」と書くこともできる、となっています。
わかりやすく言うと、「ぢ」や「づ」とするのが正しいところであるが、昔から「じ」「ず」としていたのでそちらを正しいとしましょう。決して「ぢ」や「づ」でもまちがいではありません、ということです。
特定の語とは
稲妻(「いなずま」が本則であり「いなづま」でもOK。)
日本中(「にほんじゅう」が本則であり「にほんぢゅう」でもOK。)
融通(「ゆうずう」が本則であり「ゆうづう」でもOK。)
などです。全部で23語あります。
その他の特定の語をここに書いておきます。
あせみずく・うでずく・うなずく・おとずれる(訪れる)・かしずく・かたず(固唾)・きずな(絆)・ つまずく・くろずくめ・くんずほぐれつ・さかずき(杯)・さしずめ・でずっぱり・ときわず・なかんずく・ぬかずく・ひざまずく・ひとりずつ・ほおずき・みみずく
となります。
この特例の中に「づつ」が含まれています。
おまけ
ちなみにわたしが使っているWordでの日本語変換例を挙げてみました。
・ちぢむ(tidimu)➡変換➡「縮む」OK
・ちじむ(tizimu)➡変換➡「知事武」などで変換できず
・つづく(tuduku)➡変換➡「続く」OK
・つずく(tuzuku)➡変換➡「津木菟」などで変換できず
・はなぢ(hanadi)➡変換➡「鼻血」OK
・はなじ(hanazi)➡変換➡「花時」などで変換できず
・いなずま(inazuma)➡変換➡「稲妻」OK
・いなづま(inaduma)➡変換➡「稲妻」OK
・にほんぢゅう(nihondyuu)➡変換➡「日本中」OK
・にほんじゅう(nihonzyuu)➡変換➡「日本中」OK
「稲妻」「日本中」はどちらでも変換できました。
・はんぶんづつ(hanbundutu)➡変換➡「半分づつ」
ちなみに「半分づつ」にアンダーラインのエラー表示がでました。
Wordってすぐれものですね!ちゃんと理解しているのですね。
以上
お役に立てたでしょうか?少しでもお役に立てれば幸いです。
最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
「おお」と「おう」の使い分けについては
こちら「おお」と「おう」の違いと使い分けをわかりやすく解説をご覧ください。